社会不安障害【人前で強い不安症状、別名「あがり症」精神科医が14分でまとめ】

Описание к видео 社会不安障害【人前で強い不安症状、別名「あがり症」精神科医が14分でまとめ】

0:05 はじめに
0:45 ①社会不安障害を考える場面
1:10 ②社会不安障害とは
3:09 ③社会不安障害の診断基準
5:24 ④社会不安障害の鑑別疾患と併存症
7:51 ⑤社会不安障害の治療
11:44 ⑥社会不安障害の病期と対応
12:56 まとめ

社会不安障害は、特に人前で強い不安が繰り返し出る精神疾患です。「あがり症」の強いものとも言えます。
薬物療法は抗うつ薬継続が基本、そこに「不安な場面に徐々に慣らす」系統的脱感作法を組み合わせていきます。
精神科医が約14分の動画にまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)

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↓↓内容の詳細は下記になります。

<はじめに:社会不安障害>
心療内科・精神科の病気。今回は「社会不安障害」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。
「対人不安」「あがり症」よくちまたでも聞きますが、これは精神医学的には「社会不安障害」と実際に名前がつきます。
これは不安障害の1種で、うつ病とメカニズムや使う薬が一部共通します。
また、効果には個人差はありますが、標準的な治療はある程度確立されていまして、早めに気づいて早めに対策することが大事です。
今回はこの「社会不安障害」に関して全般的に見ていきたいと思います。

①社会不安障害を考える場面
子供の頃から緊張しやすい中、10代になってからその傾向が強まった。
その中でクラスの前で発表することがあって、そこで急に頭が真っ白になり、笑われることがあった。
それから人に見られること自体が不安になって、次第に様々な人に会う場面を回避するようになって家からあまり出なくなった。

②社会不安障害とは
これは「社会」「不安障害」と書きまして、社会とは「対人的な人に会う場面」。不安障害とは「不安が強すぎる」。まとめると「対人場面で不安が強すぎる」です。

<実際不安になる場面→人に見られる対人場面全般>
人前でのプレゼンだったり、スピーチ話したりするときに見られるというところ。
雑談であったり、話しかける、人前での電話。
あとは外での、食事、書字、トイレ等。

<発症の背景→複合することあり>
●生まれながら
不安の感じやすさ敏感さは個人差大きく、HSP的な場合あり。
●経験の影響
幼少期の辛い思い、特定の恥を各党のできごとなど
●脳の不調
不安を司る「扁桃体」の不調や脳のセロトニン不足等
<社会不安障害の疫学など>
発症率はアメリカの論文ですと約10%、日本では3%(未治療多いか?)
10代での発症が多くて、男女比1:2で女性の方が多い
未治療の時長期的・慢性的な経過をとることが多い

③社会不安障害の診断基準(DSM-5「社交不安症」)
A:外の人に注視される社会場面、社交場面での「著しい恐怖や不安」
これは話す雑談などもありますし、スピーチなど人に見られるということも含まれます。
B:振る舞いや不安というところが、「他の人から否定的な評価を受ける」ということを恐れている
C:その社会的状況があった時、ほぼ常に恐怖・不安が誘発される(子供だと癇癪等も)
D:この社会的状況が回避される。もしくは回避できなくて辛さがあるけれど、何とか耐えている(どちらか)
E:この不安に関しては社会的状況だったり、現実的なところの不安の影響と比べても、不釣り合いに強い
F:恐怖や不安、あとは回避とが慢性的に6か月以上続く
G:社会生活に障害を起こす
H:物質や他の内科的な病気の症状ではない
I:パニック症など他の(精神的な)病気などで説明ができない
J:仮に他の病気があった場合でも、それとは無関係であったり、それだけ説明できる状態ではなく、過剰である

④社会不安障害の鑑別疾患と併存症

1)回避性パーソナリティ障害
対人場面も含むさまざまな場面で強い不安を感じ、それを回避してしまうパーソナリティ障害。非常に社会不安障害と共通点が多い。
<鑑別→見分けにくいことも多い>
社会不安→対人場面で目立つ、不安主体
回避性→全般的に目立つ、回避主体

2)ASD(自閉症スペクトラム障害)
対人面の困難があって、孤立して人を避ける発達障害。2次障害で社会不安障害を合併する場合も。
<鑑別→合併も多い>
社会不安→他の人を気にして不安、会話すれば大丈夫
ASD→他の人に関心なく孤立、会話してもずれが生じる

<他の鑑別疾患>
●うつ状態
慢性的な適応障害や気分変調症と見分けづらいことがあります。
●他の不安障害
パニック症や全般性不安障害など
●統合失調症。
前触れで対人不安、社会不安が目立つ場合あり

<他の併存症>
●うつ病
メカニズムや治療薬など共通点は多くあり。移行する場合も
●他の不安障害
パニック症や強迫性障害などしばしば合併
●アルコール依存
不安に対しての自己治療としての飲酒への依存に注意

⑤社会不安障害の治療
「薬物療法(SSRI)」と「精神療法(脱感作法)」が2本柱。

1)薬物療法
主に使う薬は大きく2つ。
●抗うつ薬SSRI(定期的に使い主剤)
●抗不安薬(頓服で)

<抗うつ薬SSRI>
治療の第1選択。使い続けて徐々に不安を減らす。
効果が出るまで2から8週間、初期にお腹の副作用がでたり、急にやめると離脱症状が出ることには注意が必要。
効果には背景によって個人差あり。
<抗不安薬>
「その場で効く薬」頓服で持つと安心。
ただ、対症療法かつ依存のリスクあり、必要な時だけ使用は最低限にすることが望まれます。
一方、症状が強い時に関しては、比較的依存が少ない「効果が長いタイプの抗不安薬」を検討します。
<補足:漢方薬>
続けて飲むことで不安をやわらげる。副作用のリスクが少なくて安全に使えるというところはメリット。
ただし、効果はかなり弱いので、あくまで抗うつ薬が合わない時の選択肢。
似たものとしては、他に依存がないタイプの抗不安薬「タンドスピロン」。

2)脱感作法
これは不安な場面に徐々に慣らすというところになります。
大きく言うと2つやり方があって、まずは「系統的脱感作法」弱めの不安から徐々に慣らすというやり方。また、「曝露療法」というのがあって、これは一気に強めに刺激を慣らすという方法があるんですが、これは効果は早いんですけどちょっと危険があるので、基本的には「系統的脱感作法」の方をお勧めしています。

具体的に見ていきますと、苦手な場面を回避せず、経験することによってその不安に慣らしていくというところ。
そうすると、初めは不安だけども、持ちこたえると徐々に慣れてきて、その後の不安も減ってくるということになります。
なるべく弱めから始めてかつ「何とかなる」うまくいく範囲で、徐々に負担を増やすというのはコツになります。

注意点としては、まさに無理せず焦らず徐々に繰り返し練習しましょう。
あと、体調はなるべく万全にしてから慣らす、そして終わったらしっかり休むことが大事です。
そして大事なのは、「ご自身の意志で行う」第三者が強要することはしないでいただけたらと思います。

後、補足的な精神的な治療なんですけれども、まずはいわゆる認知再構成というのがあります。
これはよく「うつ」で使いますけども、社会不安障害だと「失敗したらいけない」という1種の完璧主義の考えが影響することがあります。
この背景には、そのままでは受け入れられないという自己肯定感の低さが絡むこともあると言われます。
ここに関して「失敗してもいい」とか、別の見方を探していくというのは一つのやり方です。

後は過去を俯瞰して見直してみるというのが一つの方法です。
幼少期とか以前の人間関係がどう影響しているか、人によっては影響があることがあります。
後は、以前の嫌な出来事が影響してないか、ここを見ていくというところです。
ただ、これはあまり過去を責めてもいい方向には行かないので、そこにはこだわり過ぎず、一回俯瞰してみて、その上で「今」と「これから」に生かしていくことが大事になってきます。

もう一つあるのは、「不安と共に動く」というところです。
「不安をなくす」を目的にするなかなか難しい。どちらかというと、不安をなくすよりも「不安と共に動く」というところ。
そして不安に集中し過ぎず、なるべく頭の中じゃなくて外の方に集中を向ける。
その中でやるべきこと、不安があっても「やるべきことをする」ということに集中するのが大事かと思います。


⑥社会不安障害の病期と対応
個人差はあるんですが、主にはこれから示す3段階です。前期・中期・後期があります。
前期は抗うつ薬の効き目を待ったり、リラックス法など準備をする段階。
中期はいよいよ脱感作法をしっかりやる段階。
後期はうまくいった後、薬を減らしていく段階になります。

まず前期に関しては、まず抗うつ薬で不安を減らす。効くまでちょっと時間差あるのでそれを待つということです。
その間に体調を整えたり、後、中期で使うリラックス法などを色々試してみるということが有効です。

中期に関しては、薬の土台があった上で、徐々に脱感作法・慣らすことを実践していきます。苦手場面を徐々に克服していって、だんだん狭まってしまった活動範囲を戻していくということです。

後期としては、そこがうまく行った後、徐々に薬を減らしていく。その中で不安に慣らす脱感作は継続していって、活動範囲は減らさないということです。で薬を0にするのが本来は目的ですけど、どこまで減らせるか先ほどの背景もあって個人差があります。
どこまで減らすか、0にするか少し残すかに関しては、主治医の先生と相談をしていただけたらと思います。

<まとめ>
今回は、「社会不安障害」についてまとめてきました。社会不安障害は、対人面での著しい不安・恐怖になりまして、スピーチや雑談などさまざまな対人場面で起こり得るものになります。
鑑別としては、回避性パーソナリティ障害や自閉症スペクトラム障害、これが似ていたり合併しやすいというところがあります。もし合併をしている場合は、合併しているということを踏まえて、治療を調整していくことになります。
治療の基本は、抗うつ薬を続けることと、脱感作法・慣らしていくことです。不安を薬でまず不安を減らした上で、苦手場面に徐々に慣らしていって克服を図っていきます。



こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
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【解説者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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