統合失調症について解説します。実は身近な脳病です。【精神科医が一般の方向けに病気や治療を解説するCh】

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00:00 統合失調症とは
01:59 統合失調症の症状
05:30 統合失調症の治療
07:10 入院
08:17 社会復帰困難?

今日は「統合失調症」について解説します。
統合失調症は、一言で言うと「ドパミン過剰となる脳病」です。「ドパミン」という神経伝達物質が大量に出て、それによって幻覚・妄想が出る「脳の病気」です。
性格や人格の問題ではありません。

ところで、ドパミンを過剰に出させる薬物があるのをご存知ですか?
それは「覚醒剤」です。覚醒剤を摂取し続けると、ドパミンを調整する蛇口のところがダメになってしまって、ドパミンが過剰に出るようになり、幻覚妄想が出現します。それを「覚醒剤精神病」と言ったりします。
統合失調症も、ドパミンを調整する脳内の蛇口のところがダメになってしまう病気です。

■統合失調症の症状

<陽性症状>
・幻聴(はっきりとした悪口)
・妄想(監視、ネットで噂されている)

陽性症状は「幻覚妄想」のことです。
幻視や幻臭はあまりなく、ほぼ「幻聴」です。

この幻聴は、「はっきりとした悪口」のことが多いです。何となく、誰が言っているかわからないけれど、というものではなく、はっきりとした男性あるいは女性の声で聞こえます。

「はっきりとしない幻聴」もあるのですが、それは自閉症の人たちに聞こえると言われる幻聴です。ぼんやりとしていて、自分の考えを代弁しているかのような幻聴が出てくると言われています。
統合失調症の場合はもっとはっきりとしていて、すごく怖い思いをします。

妄想は、「被害妄想」が多いです。
監視されている、ネットで噂になっているといった妄想を訴えることが多いです。

<陰性症状>
・抑うつ気分
・意欲低下

陽性症状よりも目立たない症状が「陰性症状」です。
落ち込みや意欲の低下、やる気が出ないなどです。
陽性症状と陰性症状を繰り返してしまうのが統合失調症の特徴です。
ところで、ムンクの「叫び」という有名な絵画作品がありますが、あれは幻聴が聞こえているのだと言われています。


<その他の特徴>
・再発が多い
・長期化することがある

また、再発が多く、長期化することもあります。
蛇口の部分がダメになったままでなかなか治りにくいのが特徴で、結構怖いです。気軽につける病名ではありません。

<発症年齢>
人口の1~2%が発症すると言われており、10代~20代で発症することが多いです。
中高年女性で突然このような幻覚妄想が出ることもあるのですが、そちらは「遅発パラフレニー」といわれます。

■治療

ドパミンが大量に出ているのですが、ドパミンを抑えるのではなく、ドパミンをキャッチする「受容体」をブロックする薬を使います。

・SDA…リスペリドン、ブロナンセリン、ルーラン、ルラシドンなど
・MARTA…オランザピン、クエチアピンなど
・DPA…アリピプラゾール、ブレクスピプラゾールなど

これらはドパミンを抑えてくれるのですが、錐体外路症状とよばれるパーキンソン症状(手の震え、仮面様顔貌、アカシジア等)、過鎮静、糖尿病、代謝障害などの副作用があります。

■入院

薬がなかなか効きにくいこともあり、幻覚妄想に苦しんでいると治療者や家族が敵に見えてしまうこともあります。
薬や食事に毒が入れられているのではないかという妄想に取り憑かれ、いてもたってもいられなくなることもあり、家出を繰り返してしまう。その状態では外来治療が困難であるため、入院になることも多くあります。

・措置入院、医療保護入院、任意入院
自傷・他害の恐れがある場合は、「措置入院」という法的に強制的に入院するという制度があります。
よくあるのは「医療保護入院」です。家族や行政のトップの同意に基づく強制入院です。
本人が自発的に入る「任意入院」もありますが、まずは医療保護入院で入り、落ち着いてから任意入院に切り替えます。

最初から任意入院にしないのは理由があります。
入院中も症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すのですが、悪くなった時に病院まで敵に見えて「ここの病院はおかしい! 退院したい!」といってしまうことがあります。
そのような時に強制力を持てないと人権という観点から、退院となってしまい、それは結局、患者さんの不利益になるので、任意入院ではなく強制入院をとるという事情があります。

■社会復帰困難?

統合失調症は重く難しい病気なので、社会復帰が困難になることも多いです。
障害者枠で働く、就労継続支援施設A型・B型などのいわゆる作業所で働く、デイケアに行く、それも難しい場合は訪問看護を入れる。経済的な問題がある場合は生活保護を取るといったこともあります。

生活保護は日本では1~2%の人が受けているといわれていますが、統合失調症で最終的に生活保護を申請する方は結構いらっしゃいます。
 
治療の流れとしては、診断をして薬の説明をし、入院を検討し、入院後の生活ができるように各種支援を調整するということになります。

この動画を見ている方に統合失調症の方もいるので、あまりネガティブなことを言うのは心が重いのですが、真実を話そうと思います。とても難しく、残酷な病気です。でも良い薬もできていますし、いろいろな制度もありますので、主治医とよく相談してください。 

★noteにもまとめています:統合失調症
https://note.com/wasedamental/n/n011d...

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 一般の方向けに、わかりやすく、精神科診療に関するアレコレを幅広く解説しています。動画における、精神分析や哲学用語の使用法はあくまで益田独自のものであり、一般的(専門的)な定義とは異っているところもあります。僕がもっとも説明しやすいとたまたま感じる言葉を選んだだけなので、あまり学術的にとらないでいただけると嬉しいです。
                  早稲田メンタルクリニック 益田裕介

『自己紹介』
益田裕介
防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年早稲田で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
2020年6月5日より断酒継続中。

【参考】
厚労省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト第3版

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