妄想性障害【統合失調症の「妄想だけ」版。行動化に注意。精神科医が10分でまとめ】

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0:05 (1)はじめに
0:34 (2)妄想性障害の例
0:58 (3)妄想性障害とは?
2:45 (4)妄想性障害の症状
4:24 (5)妄想性障害の鑑別疾患
5:24 (6)妄想性障害の治療
9:17 (7)まとめ

「妄想性障害」は、いわば統合失調症の「妄想だけ」版。一方で、持続する妄想から「行動化」すると自他に危険があるため、適切な対策が必要です。
精神科医が要点を約10分の動画にまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)

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↓↓内容の詳細は下記になります。

(1)はじめに:妄想性障害
心療内科・精神科の病気。今回は「妄想性障害」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。
妄想とは「訂正困難な、事実とは異なる確信」になります。
主に「統合失調症」で幻聴など他の症状と合わせて出現します。
ただし、中にはこの「妄想だけ」が長く続くこともあり、「妄想性障害」と呼ばれます。
今回はこの「妄想性障害」について見ていきます。

(2)妄想性障害の例
Aさんは周りの人が話しているのを聞いた時、「自分を監視している」と確信しました。
そこから様々な人が「組織的に自分を監視して狙っている」という妄想が発生し、それが持続した結果、外に全く出られなくなりました。
その結果、食事も取れなくなり、飢餓状態になって保護されました。
そこで妄想性障害という診断を受けました。

(3)妄想性障害とは?
これは「妄想だけが長く続く病気」です。
<妄想性障害とは>
妄想性障害は、一つ以上の妄想が長期間続く病気です。
幻聴や陰性症状などは目立たない一方、妄想から社会生活に強い影響が出る事があります。
そして症状など、「統合失調症」と似ているところが多い病気です。
<統合失調症との共通点>
まずは妄想が持続することが大きな共通点です。
もう一つは「似た脳の不調のメカニズム」ドーパミン(作用)の過剰などが言われます。
そして、使う薬も基本は「抗精神病薬」で共通です。
<統合失調症との違い>
妄想性障害では、「他の陽性症状」幻聴や混乱、興奮などはあまり目立ちません。
または「陰性症状」活動の減少なども目立ちません。
そして、「認知機能障害」考える力の障害もあまり目立ちません。
<妄想性障害の疫学等>
基本的に「罹患率」かかる方の率は0.2%ほどと言われます。
年代は、基本的には40代以降、統合失調症より高い年齢の方が多いとされます。
妄想以外の面では、生活面の障害は基本的には少ないとされています。
<妄想性障害のDSM-5での診断基準>
A:一つ以上の妄想が1ヶ月以上続く
B:統合失調症の(Aの)症状の基準は満たしていない
C:妄想以外での生活困難や奇妙さはあまり目立たない
D:躁やうつのエピソードが仮にあっても、妄想よりはずっと短い
E:他の精神疾患などでは説明ができない

(4)妄想性障害の症状
基本的には「長く続く妄想」になります。
<妄想とは>
妄想は、事実と違う確信で、かつ他の人からの訂正が困難なものです。
周りからの情報(妄想知覚)、及び急な思いつき(妄想着想)から主に生じます。
出方は様々ですが、特に「行動化」、妄想に基づいて行動するときに注意が必要です。
<妄想のタイプ6つ>
①被害型
周りから監視・迫害されているなど、自分が攻撃されているという妄想です。
②被愛型
ある人物(有名人)などに恋愛感情を持たれているという妄想です。
③誇大型
自分が特別な才能などを持っているという妄想です。
④嫉妬型
配偶者などが不貞・浮気などをしているという妄想です。
⑤身体型
自分の体の状態が身体が歪んでいるなど、独特な異常があると確信する妄想です。
⑥混合型
これまでのいくつかの内容が合わさった妄想です。
<妄想で特に困ること>
まずは「対人トラブル」妄想に伴って行動化しトラブルになることがあります。
次は「生活困難」妄想に伴って生活が制限され、困難が出る事があります。
3つ目は「社会的孤立」他者への妄想が強くなると対人関係が切れ、孤立に至ります。

(5)妄想性障害の鑑別疾患
①統合失調症
妄想性障害と似た点が多いですが、他の陽性症状・陰性症状等の合併が特徴です。
②躁うつ病・うつ病
これらも妄想が時に出ますが、妄想が気分と連動しているのが特徴です。
③強迫性障害・醜形恐怖
強迫観念などで妄想的な信念が時に出ますが、この場合は強迫性障害等の診断を優先します。
<類似:遅発性パラフレニー>
これは60歳以上の高齢の方に、急に妄想や幻聴が発生する病気です。
妄想性障害と似たところが多く比較的現実的な幻覚妄想が出て、治療は抗精神病薬を使います。
ただ、妄想性障害とはなりやすい年齢が違い、こちらでは認知症との鑑別や進行に注意が必要です。

(6)妄想性障害の治療
基本的には統合失調症と同様の治療をします。その中でも、病識の欠如と行動化に注意が必要です。
妄想性障害の治療、まずは「薬物療法」、続いてが「心理社会的治療」、その中で3つ目が「病識や行動化への対策」になります。
①薬物療法
妄想性障害の薬物療法は、統合失調症と同様「抗精神病薬」を続けるのが基本です。
そして改善した後も、再燃予防のために薬を続ける必要があります。
原則は単剤で使い、色々種類ある中で合うものを探していきます。
ただし一方で、実際には治療継続にはなかなか難航することが多いです。
<難航する背景>
まず妄想性障害は、時に統合失調症以上に「病識」を持ちにくいことが多いです。
そして薬の「効果を実感しにくい」のも、続けにくい背景です。
関連して「治療の動機付け」のが難しさも影響します。
②心理社会的治療
まず精神科リハビリ(作業療法など)は統合失調症と比べると必要性は少ないです。
一方で病識を持つための「疾患教育」は大事ですが、実際には困難も多いです。
時に「行動化」ある場合は、緊急対応が時に必要になることがあります。
③病識の欠如と行動化への対策
<病識の欠如>
「病識」がないと治療の動機づけができず、治療継続が非常に困難になります。
一方で、統合失調症と違い症状が「妄想のみ」のため、なかなか自然な形で病識を持ちにくいです。
「違和感→病識」の流れを、妄想性障害では持ちにくいことがあります。
そして、「病識を出す」薬はないというのも難渋しやすい背景です。
<病識欠如への対策>
まずは「関係者との関係性を築いていく」ことが大事です。
そして、病気の有無よりも「困り事の対策」として治療導入ができるとうまくいきやすいです。
そして妄想のみに焦点が当たると行動化のリスクも上がるため、むしろ「生活をより良くする」ことに焦点を当てられるといいと思われます。
<行動化>
実際、妄想があるだけでは、影響はそこまで大きくはないことが大半です。
ただし妄想からの「行動化」が出ると、自傷他害等、リスクが大きく上がります。
そのため、この「行動化」を何とか防ぎたいところです。
<行動化への対策>
まずは「薬物療法の導入と継続」です。薬によって妄想は(消えなくても)減少はしますので、それで行動化リスクの軽減が図れます。
その上で残った妄想に「一歩引く」対策を習慣化する、これを訪問看護等も含め、繰り返し働きかける事が大事と思われます。
そして、どうしても行動化が反復する場合は、自他の安全確保のため、入院も選択肢になると思われます。

(7)まとめ
今回は、心療内科・精神科の病気「妄想性障害」について見てきました。
妄想性障害は、妄想のみが長く続く病気で、幻聴や陰性症状などが目立たないのが統合失調症との違いです。
様々なタイプの妄想が生じますが、特に妄想からの「行動化」でのトラブルに注意が必要です。
治療は統合失調症に準じて主に抗精神病薬を使いますが、病識を欠くことがどうしても妄想性障害では多いため、時に治療が難渋することがあります。

こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
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【解説者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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