第二部各論 第1章8節 自傷行為(リストカット)の治療法 

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00:00 OP
01:40 脳のしくみ
03:11 自傷のメカニズム
04:31 なぜ修正がうまくいかないのか
05:20 治療方法
08:57 その他の治療

本日は「自傷行為の治療法」について解説します。

■色々な背景がある

まず最初に、自傷行為はどうして起きるのか、ということからお話しします。
自傷行為というのはどうして起きるのかというと、ストレスが溜まるからなんです。
ストレスに対してやってしまうというのが自傷行為です。

自傷行為を起こすのは特定の疾患に限らないんです。
境界性パーソナリティ障害と診断されているから自傷行為をする、発達障害と診断されているから自傷行為をする、というわけではなくて、症状のひとつなんです。
色々な疾患で起こりうる症状です。

熱発と一緒です。
例えば、風邪をひいても熱が出るし、コロナにかかっても熱が出るし、甲状腺機能亢進症でも熱が出るし、場合によってはガンになっても熱が出る。
肺炎になっても熱が出る。
基本的に、熱という症状には色々な原因が考えられるんです。

それと同じように、自傷行為をしてしまう人の背景には、色々な原因が考えられるということです。
自傷行為があるからすなわち境界性パーソナリティ障害だということはないということです。

■脳のしくみ

人間の脳のしくみから話をします。

人間は脳の中にバーチャルリアリティの世界を作っています。
常に予測をしているんです、どうなるのかな、とか。

頭の中に一個世界を作っていて、目や耳など色々な物を通じて、色々な情報をキャッチします。
キャッチして脳内でズレを知覚して、脳内のバーチャルリアリティの世界を修正していたりします。

脳内のバーチャルリアリティの世界はどういうものから作られているかというと、主には記憶です。
これまで得た知識、経験、つまり記憶と、あとは遺伝的な体質です。
体質によってできあがる脳内の世界が変わってきます。

あとは環境の影響も受けます。
現実と一緒ですが、疲れている、ストレスが溜まっている、最近嫌なことがあった、とか。
とにかくそういう環境的な要素も加わって、見えている世界というのが変わってきます。

この現実と脳内の世界のズレを感じたときに、人間は不安を感じたり、怒りを感じたり、ストレスを感じるわけです。
そういうものがあるから、ズレを解消しようとして認知を修正したり、行動に移したり、問題解決しようとするわけです。

■自傷のメカニズム

ただ、解消をするのが下手な人たちがいます。
下手な人たちというのは、ストレスや不安を溜めていくんです。
だんだん溜めていって、ある瞬間、頭が真っ白になってしまう。
溜めきれなくなって「アーッ!」となって、それでパニックになって、思わず自傷してしまうんです。

自傷をすることで冷静になるんです。
自傷すると、脳内麻薬が出るんです。
脳内麻薬が出るので一旦冷静になってスッキリして、感情に支配されず、冷静に行動できるようになったりします。

でも正しい解決法ではないので、またストレスや不安が溜まっていくわけです。
そうするとまたパニックになって、また「あの時の脳内麻薬が欲しい」みたいになってしまって、自傷して、冷静になる。
これをグルグル回してしまうのが依存症の行為というか、症状のメカニズムです。

脳内と現実のズレに対して上手く修正できずにストレスを溜めてしまって、自傷でしか解決できない。
そしてそれが依存になってしまって、どんどん繰り返してしまうということになります。

■なぜ修正がうまくいかないのか

なぜ修正が上手く行かないのか、そもそも現実がどうしてズレているのか。

過去に虐待やいじめ、失敗経験が多いということで、元々ネガティブに考えていて、現実で何かが起きてもネガティブに捉えすぎて、それでストレスを溜めてしまうパターンもあります。
能力的な問題、発達障害の問題、知的障害の問題、あとは情動のコントロールが元々苦手な境界性パーソナリティ障害、そういう問題があるから上手くズレを解消できないとか、あとは疲れがたまっているから視野が狭くなっていて、上手く解決できないとかあったりするかなと思います。

■治療方法

治療はどうしたらいいのかというと、自傷のサイクルをできるだけ起きないようにしてあげるということが大事です。

依存症と一緒なので、一気にやめようと思っても難しいです。
本人に「やめろ」と言ってもなかなか止められないので、そこは周りの人も理解してあげてやるということです。

普段から気持ちを整理する方法を訓練したり、マインドフルネス、呼吸法やリラックスする方法を練習しておく。
ストレスが溜まったときには、マインドフルネスを実践したり、気持ちを整理するために日記を書いたり、自分の気持ちを書き出してみる。
音楽を聴いたり、お風呂に入ったりして、自分でリラックスするようにしてみる。
ストレスを解消してあげるということが大事です。

それでもパニックになってしまう、頭が真っ白になってしまったのであれば、リストカットの代わりに、例えば氷を当ててあげる、輪ゴムでパチンとする、マジックで書いて切ったフリをする、歌を歌ってみる、運動してみる、大声を出す、紙をビリビリ破る、別の行動でそのイライラを抑えてあげたり、ゲームをすることで、ちょっと気をそらしてあげることをするのがいいです。

自傷してしまっても本人を責めてはいけないです。

本人も甘えているとか、見せびらかしたいとか、そういうつもりでやっているんじゃなくて、やってしまったと反省するんです。
「ああ、またやっちゃった…」と冷静になったとき自分をすごく責めるんです。

アルコール依存症の人がアルコールを飲んでしまったとか、ギャンブル依存症の人がギャンブルをしてしまった、ゲーム依存症とか性依存の人がそういうことをしてしまった時と似ていて、やった後に「ああ、またやっちゃった…」となるわけです。

ありますよね、みなさんも。
ダイエット中なのにコンビニでお菓子を買っちゃって、一袋二袋くらい食べちゃって気持ち悪くなってからすごく反省する。
「ああ、食べ過ぎた…」とかなりますよね?

それと一緒で、本人は落ち込んでるんですよ。
反省したりするので、周りの人は責めない。
責めずにちゃんと気持ちを傾聴してあげる、何で落ち込んだのかな、という話をしてあげる。
そして傷をケアしてあげる、というのがとても大事です。

傷がバックリ開いてたり、血が止まらなかったら病院を受診してください。
救急車を使っても場合によっては構わないかもしれないです。
血が止まらなかったら行く。
縫ってもらった方が傷の治りがきれいだったりしますから、そういうのも大事です。

傷のケアについては今度というか、もしかしてこの動画より前かもしれないですけど、「きずときずあとのクリニック」さんという豊洲にある形成外科のクリニックとコラボした動画があるので、もしよかったそっちも見てください。

冷静な時には気持ちの整理やマインドフルネスの練習をしたりしていく、と。
こういう日々の積み重ねが重要だったりします。

こういうことをしていくと、この車輪がだんだんゆっくりと回るようになります。

■その他の治療

もうちょっと治療の話をすると、こういう体質に対しては薬が効いたりするので薬物治療をしたり、記憶に対してはカウンセリング、言語的な介入によってネガティブな記憶からポジティブな記憶に少しずつ変えてあげるということが重要かなと思います。

こういう人というのは、自分はダメなヤツ、自分を嫌いだと思い込んでいるところがあるので、自分を愛する、人生を楽しむことを教えてあげる、そういうカウンセリングをしていくことがとても重要です。

本人はリストカットをして、人にもよりますけど、場合によっては構って欲しくて見せびらかす人もいますが、決して甘えてるとか格好つけているわけではなく、ナルシストでも全然ないんです。
やはり自分のことを否定していたり、自分のことを愛せていないので、そこをきっちり治療していくことが大事です。

本人は経験のバリエーション、他の人はどう生きているのか、他の人はどんなことを考えているのか、人生ってそういうものなんだ、みたいなことを知らなかったりします。
一緒に悩みごとをシェアしたり、人生ってそうだよね、四苦八苦ってあってさ、生きる苦しみとかあるよね、老いる苦しみ、病気の苦しみあるよね。親って理解してくれないよね、恋人と別れる辛さってあるよね、友人って理解してくれないよね、時に悪口言ってくるよね。自分には能力ないのかな、お金が稼げないと役に立たない人間なのかな、生きてる価値ないのかな、だけど悪さしてお金を稼いでる人たちもいるし、そういうわけでもないよな。

色々なことをしゃべることで、少しずつ自分を愛したり、人生を楽しむことを覚えていきます。
自助会を今やっていますが、そういうのもすごく有効だなと思います。

カウンセリングとか治療者だけに絞るんじゃなくて、色々な治療的アプローチがありますから、色々なものを合わせて心の健康を取り戻すということが重要だと思います。

結局、記憶にどうやってアプローチするかということなので、記憶というのは、無数の要素、たくさんの構成要素から出来上がっているものなので、一個二個の記憶を修正するだけでは、やはり治療って進まないんです。
ある程度小さな発見をボリューミーに解決していかないと治療は起きませんから、そういう意味では、色々なことを体験してみるのは良いんじゃないかなと思います。

今回は自傷の治療法について解説しました。

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